ホルター心電図 四方山話

ホルター心電図 四方山話します

アーチファクトを減らそう 次に~インピーダンスと心電図増幅器の関係~

前回は、ホルター心電図で混入するのアーチファクト発生要因を理解するために、皮膚・電極インピーダンスと等価回路についてみました 今回は、心電図信号やアーチファクトを一緒に増幅する差動増幅器のことを知ってた方がよりアーチファクトを理解できると思…

アーチファクトを減らそう ~先ずは皮膚・電極インピーダンスを理解しよう~

ホルター心電図では、混入するノイズによってはアウト!!という事態も起きかねませんね(せっかく24時間も装着してたのに至極残念な結果となることもあります) 何とかノイズを低減したいものですよね ホルター心電図では、混入してくるノイズのうち中でも…

QRS波形をベクトルで読み解く その4(左脚ブロック心電図)

「QRS波形をベクトルで読み解く その4」 は、前回が「右脚ブロック」とくれば、左脚ブロックですから(?)今回は左脚ブロックの波形から起電力ベクトルを推測してみましょう 図の2誘導は、CH1:CM5誘導でCH2:NASA誘導です 左脚ブロックも特徴的な形状して…

QRS波形をベクトルで読み解く その3 右脚ブロック波形

「QRS波形をベクトルで読み解く その3」 は、異常波形の中でも分かりやすい右脚ブロック波形の起電力ベクトルを推測してみましょう 図の2誘導は、CH1:CM5誘導でCH2:NASA誘導です 右脚ブロックは特徴的な形状していて、CH1ではRS波形、CH2では(q)RR'が一般…

QRS波形をベクトルで読み解く その2(正常心電図を見てみるかぁ)

心電図波形をベクトルで読み解きます 正常心電図のQRS波形から起電力ベクトル*を推測してみます 2誘導のホルター心電図では、CH1はCM5誘導でCH2はNASA誘導です Q/R/Sに分けて見ます ①がQ波で、CH1は-0.05mv、CH2は+0.1mv(緑の細い矢印) このベクトルを…

心電図に混入するノイズの話 その5 (VT/Vfと見紛う程のアーチファクトはどこから?)

ホルター心電図に紛れ込む厭らしいほどのアーチファクトに、よく見る「VT/Vf*擬き(もどき)」がありますね *VT/Vfとは ここで言うVT、Vfはその種類や発生起序に分類される厳密な定義ではなくて、「3連続以上する心室性収縮」程度の意味 で使っています ア…

ホルター心電図の誘導法

ホルター心電図の誘導は、一般的に2又は3チャンネルですが2チャンネルが主流と思います 最近では多チャンネル誘導記録もできるようですが・・ 誘導法は何種類かの方法によりそれぞれ特徴があります よく使われるのが CH1:CM5 ⊕電極はV5の位置で、⊝電極は胸骨…

QRS波形をベクトルで読み解く その1(起電力ベクトルの原理)

ベクトルという考え方で心電図波形を見ると、心筋活動の時間、方向、大きさが見えてきます (心電図波形は、電気刺激の伝導により起電力が発生した結果であり、心筋活動そのものではないという記事を見たことがあります でも、心筋活動による電位変化が起電…

心電図に混入するノイズの話 その4(PACなのかな、これは?)

心電図に混入するノイズの話 その4 では、実際にあった「これなんでしょう?」と言う心電図です 下図は3誘導のホルター記録です 青の矢印に注目、 自動解析でPAC2連で検出されました 前後の洞調律リズムからすると間入性PACのように見えます 形状は、CH1:CM5…

突然形状変化する右脚ブロック心電図だぁ

洞調律の右脚ブロックで、短時間で急激に形が変化する心電図がありました 間欠性や交代性などの変化は見たことがありますけどね こういうのは殆ど見見たことがないので、あれって思って記事にしました 大体において、洞調律の心電図でRR間隔は同じでQRS波の…

心電図に混入するノイズの話 その3 (f波に見えるアーチファクト)

心電図に混入するアーチファクト、 その3回目です 如何にもアーチファクトと分かる波形は未だしもどっちなの?と思わせぶりな波形も多々 特に基線に入るP波状の低い周波数のノイズやR波に似た棘波、それに続く、T波様アーチファクト これは、悩ませますねぇ …

長い洞停止で終わる発作性心房細動PAfがありました(前回の続き)

前回の記事「発作性心房細動はこのように始まって終わる」を書いてる間に、解析したホルター心電図の中にPAfがあって、その終わり方が長いSinusArrest 洞停止で終わるのがありました 下図のホルター心電図は、3チャンネルで連続した1段7秒です 誘導は、CH…

発作性心房細動はこんなふうに始まり終わるのかぁ

ホルター心電図では得意な適応である「発作性心房細動 PAf」について見てみましょうなんで得意かって言うと、先ず、発作性心房細動ですが、これは「発作性」というぐらいで、慢性でも持続性でもない心房細動でいつ、どのぐらいの間 起こるかわからないので安…

リターンサイクルについて詳しく見てみる

前回、ラダーグラムを使って不整脈の出現機序を見てみましたが、今回は刺激のタイミング関係をもう少し詳しく、「リターンサイクル」についてみてみます ところで、「リターンサイクル」という概念は心電図の教科書的な本などではあまり見かけない印象があり…

PVCを詳しく見てみる(その4 多源性VPC)

「PVCを詳しく見てみる」 その4は 多源性PVCについて見てみましょう PVCはそのフォーカス(発生起源)が一つならR波の形状はほぼ同じになるし、複数であれば その形状は各々違ってきますね 一つなら「単源性」、複数なら「多源性」と呼びぶようです 複数の…

ラダーグラムを使うと、不整脈の出現機序が解った気がする! 

不整脈の出現機序を考えるとき、ラダーグラムという方法を使うと、「この心電図はこうだったんだなぁ」などと意外にすっきりと分かったような気がすることが多いです 実際の心電図を基にタイミングチャートのようなものを作るので、時として知識不足で無理や…

PVCを詳しく見てみる(その3 間入性期外収縮の場合)

PVCをその発生するタイミングで分類すると、代償性、非代償性、それと今回の「間入性」があります 間入性は呼称そのままで、RR間隔の間に割り込む期外収縮です RR間隔は洞結節の刺激間隔となります 下図の心電図は2段目と3段目に同じフォーカス、同じ形状のP…

VPCを詳しく見てみる(その2 非代償性休止期の場合)

VPCでも、前後の洞性RR間隔との関係で、休止期が代償性をもつ場合とそうではない非代償性、それと間入性がありますね 今回は、非代償性のVPCです 分かりやすくするために、記録紙上に直接色分けしたラダーグラムで書き込みました 見やすいでしょう! SはSinu…

心電図に混入するノイズの話 その2 (実際どうなの? アーチファクトと外部ノイズ)

「ノイズの話 その1」で、心電図に混入するノイズの種類と原因の概略を書きました では、実際ホルター心電図で見てみましょう いろんなノイズが出てきますね 「あ~ またノイズだ!ぁ」と嘆くこと勿れ! それがどのように起こるかをできるだけ考えることが、…

心電図に混入するノイズの話 その1(ノイズの種類と原因)

ホルター心電図には、ノイズやアーチファクト(この辺の定義はすごく曖昧ですね)が嫌というほど、特にここ一番波形を詳しく見たいというところで、ぐっといろんな種類のノイズが混入してくるってのは、「ホルターあるある!」ですよね 例えば、Ⅱ°/Ⅲ°ブロッ…

ホルター心電図ブログ開きました

ホルター心電図のブログを開設しました ホルター心電図の解析に携わって、日々心電図を見ているといろんな波形や症状やイベントに出くわします 一日中記録器を携帯して記録した心電図 それは貴重なデータです それをできるだけ正確に精密に解析し報告書にま…

VPCを詳しく見てみる(その1 代償性休止期の場合)

記念する第1回目の記事は、不整脈の基本中の基本、心室性期外収縮を詳しく見てみました アーチファクトやノイズ混入の無いきれいな記録です (いつもこうだといいんですけどね) 1段目には、右脚ブロック(完全型でしょうか)の中に、期外収縮があります QRS…