ホルター心電図 四方山話

ホルター心電図 四方山話します

突然形状変化する右脚ブロック心電図だぁ

洞調律の右脚ブロックで、短時間で急激に形が変化する心電図がありました

間欠性や交代性などの変化は見たことがありますけどね

こういうのは殆ど見見たことがないので、あれって思って記事にしました

大体において、洞調律の心電図でRR間隔は同じでQRS波の形状変化するのは、体位変化による電気軸変化や刺激伝導系の変化によるものと思われます

 

被検者は76才、男性、昼前ごろに記録開始

PVCやPACは単発が4、5拍ほどで平均75bpmで徐脈、頻脈、洞停止などもありませんでした

 

記録から約30分後で下図の変化が起きました

HR62bpmの洞調律の右脚ブロックで、㏚間隔が0.24sでしたが、同じリズムの途中で突然ブロックが取れて5拍後に元の右脚ブロック波形に戻りました

波形変化の始まりと終わりに基線変動やアーチファクトの混入が見られないしリズム変化も見られないことから

これは突然・・・??  ですね

変化後の5拍の波形は、PPと㏚間隔は前と同じで

①CH1のR/S比はほぼ同じで、S波幅が正常範囲に戻った

②CH2は、r/S比が大きくなり、QRS幅も戻った

電気軸はざっと見て-10°位なので左脚前肢ブロックは考えにくいかなと

とすると、突然に右脚ブロックから正常伝導に切り替わって5拍後に再び右脚ブロック?

とすると、刺激伝導系で何が起こってるのでしょうか?

私の知見では、???? の連続です

  *この変化について知見のある方にぜひご教示願いたいと思います

 

 

そうこうしてる間に、右脚ブロック波形が少し変化して、CH2では「rsR'」から「rsR'R''」となり、r波が小さくなりましたから心臓が少し右軸側に動いたようにも見えますね

QRS幅が「R'R''」となり右室伝導が2段階で行われてるようです

 

 

その後に、また下図のような波形変化がありました

CH2のrs波高が、始まりの方の波形に比べやや大きくなっていて、形状は余り変わってないので

電気軸が少し左軸になり心臓が戻ったような感じですかね

 

その後しばらくして下図のような変化(3拍目から4拍目の変化)がありました

 

最初の3拍はrsR'型ですが4拍目からはrs型です

これはR'波がないので右脚ブロックの無い通常伝導となり、右室側の興奮がかなり弱い状態と

見做せないでしょうか

 

そしてまた、右脚ブロックに戻りましたね

これで記録終了まで続きました

なぜ突然に、1拍ならまだしも何も気づかないままリズムも乱すことなく短時間で伝導系が

突然変わるのか??

わかりませんね