前回の記事「発作性心房細動はこのように始まって終わる」を書いてる間に、解析したホルター心電図の中にPAfがあって、その終わり方が長いSinusArrest 洞停止で終わるのがありました
下図のホルター心電図は、3チャンネルで連続した1段7秒です
誘導は、CH1:CM5、CH2:NASA、CH3はCH2⊕極とCH1⊝極間誘導(なので、Ⅰ誘導のような感じでしょうかね)
f波ははっきりと見えませんが、P波は無いしRR間隔が不整で138BPMなので、心房細動と考えていいと思います
下図1段目で突然心房が約4秒間停止してます
間に細かいのや基線の揺れのアーチファクトが入ってたりしてるので、この停止はアーチファクトによるものかと一瞬疑いますね
これがホルター心電図の嫌らしい所(難しいところ)ですね
この場合は、基線の小さな揺れもあるしノイズが過大入力して基線が戻った状態でもないので、これは洞停止とみていいと思います
この停止の長さは、これもオーバードライブサプレッションというんでしょうかね?
なにか異なった機序が働いて洞調律が抑制された?
かなり長い状態もあるものですね
その間、補充収縮も起こらなかったようですが、洞停止後の最後ではP波のないR波に続きf波が乗った2拍のR波がでてます
停止後初のR波は、いよいよ補充収縮となって房室接合部から出てるようですね
(先行するP波がないしQRSは上室性のものだし・・・)
停止後3拍目は洞調律によるかどうか判然としませんが、ここでちょっと休んでこの後は洞調律に戻ってます
ただ細かく見ると。PQ間隔が一定ではありませんしPP間隔もやや不整ですね
これは、心房から刺激が出たとすれば房室結節の伝導時間が変化したか、または房室結節から刺激が
出たとすればその発生場所が動いたかな、と推測されます
が、実際のとこ分かりませんです
記録開始(午前9時頃)から既にPAfになっていて、約2時間後に停止しその後記録中には発作が出ることはありませんでした
72才、女性、Af時MaxRate 183BPM、MinRate 91bpmでした
PAf時間帯以降は、平均 67bpm でした