ちょっと???となったホルター心電図があったので紹介します
下図を見てください
R波を見るとその起源は洞性か上室性ですね
RR間隔が飛び飛びで、基線にポコポコした波がある・・・・
一見、心房細動AFかな
でもよく見るとRR間隔の変化が規則的
そして、P波様の上向きの波形が断続的に同一間隔で出てますね
とすれば、心房粗動 AFLかな
でもP波様の波形は粗動波のような+/-の2相性ではないし、波形間では基線状態に戻っています
そして見えるところは等間隔になっているようです
なので、この波形はP波と考えた方がしっくりきますね
そして、各々のR波はPQ間隔がほぼ同じでP波により房室の正常伝導(AV伝導)してるようです
一方、P波だけが連続しているところはAV伝導してないと考えられますね
では、各波形を詳細に見ていきましょう
タイミングや間隔を計測してみると下図のようになります
はっきりしているP波は、0.26秒間隔、つまり230bpmです
この間隔でP波をつないでいくと、T波やR波に重なって等間隔で連続して発生してることが分かります
なので、これは上室性頻拍と推測できますね
一方、R波はPQ間隔 0.24秒で(少し延びることもあるようですが)通常のAV伝導しています(赤矢印)が、R波から数拍の所々でP波のAV伝導がブロックされています
伝導比で見ると、R波は2:1~4:1伝導となっています
一番短いRR間隔が2:1伝導でそのPP間隔(2×PP)は0.54秒、とすればPP間隔が0.27秒以内だとAV伝導はブロックされると推測できますね
PP間隔が0.27秒から少し短い場合には2:1~3:1伝導が起こりますが、4:1~5:1伝導は現象として現れるけどその機序は良く理解できません
AV伝導に機能的障害が起きてるのでしょうかね
何れにせよ上記の推測より、
230bpmの心房頻拍で、2:1~5:1のAV伝導ブロックが起きている心電図と考えます